第788回 大規模修繕工事ってどのくらいの費用が掛かるの?

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ご承知のように、マンションは老朽化に伴い、大規模な修繕工事が周期的に行われています。概ね1215年周期ですが、築40年のマンションが過去3回実施したかは定かではありません。

 

古いマンションの中には、過去一度も修繕したことがないという例も僅かながらあるようです。しかし、最近は大規模修繕の意義について理解が深まり、合意形成ができやすい環境になっているようです。

 

マンションは、簡単に建て替えることができないので、可能な限り長持ちさせなければなりません。そのためには、日常の管理もさることながら、大規模な修繕を実施することが不可欠です。

 

●大規模修繕の費用は?

大規模な修繕とは、雨漏りが生じないように「屋上の防水」、「外壁の塗装や亀裂の補修」、「外廊下とバルコニーの床の補修」をすること、給水・排水が滞ることのないようにパイプの洗浄と交換、命の危険に係る「エレベーターの交換」、「駐車機械の交換」といったものを指します。

 

これらの工事に要する費用は、言うまでもなくオーナーによる積立金を充当することになります。個人住宅(一戸建て)は自分の都合で、やりたいときにやればいいですが、集合住宅の場合は合意形成に手間取るので、計画的に実施することが必須です。

 

大規模修繕の場合は費用も多額なので、必要なときに徴収する形では足並みが揃わず、合意形成は時間もかかり、ます。 そこで、計画的に積み立てておくことが必須となっています。

 

分譲マンションの黎明期には、どのくらい積み立てればよいかのガイドラインもなく、適当に金額を決めて積立をしていました。管理費の1020%相当額(月額1000円か2000円)という時代が長く続いていたのです。

 

 国土交通省)は、2017年5~7月、修繕工事の内容や費用などに関し、工事の実績が多いとみられる建築事務所や設計コンサルタントにアンケートを実施。回答が得られた944事例を分析しました。

 

 それによると、大規模な修繕は1回目が築13~16年前後に行われ、1戸あたりの平均は100万円。2回目は築26~33年前後で同97万9千円、3回目以降は築37~45年前後で同80万9千円だったそうです。

 

工事は外壁関係、防水関係が多く、2回目は給水設備が増えるということも分かりました。

 

 調査結果は同省のホームページで公開されています。マンションの規模ごとに概況を説明し、「管理組合は同規模のマンションのデータと比較すると有効」としています。

 

また、事前に検討した方がいいポイントとして、「過剰な工事項目・仕様などがないか」、「戸あたり、床面積あたりの工事金額が割高ではないか」―などを挙げています。

 

●新築マンション分譲時の積み立て計画

この2~3年、新築マンションの「修繕積立金」に大きく変わった点があります。それは、分譲時の「一時金が増えたこと」、並びに「積み立て月額も増えていること」です。

 

例を挙げておきましょう。これは、東京都郊外に大手デベロッパーが分譲する15階建て、総戸180戸の物件ですが、引き渡し時に月額積立金の100か月分相当を徴求するとあります。

 

毎月の修繕積立金は約7,000円、1㎡当たり110円としています。これは、最近の新築マンションの中では高い設定です。 引き渡し時の一時金である「修繕積立基金」も70万円、積立金の100か月分相当と、高めの設定としています。

 

また、当初の7000円も、数年ごと段階的に増額する計画です。

 

●30年は増額しないという計画もあるが・・・

マンション購入者の購入時は、住宅ローンを使う人も含めて例外なく経済力に問題がないものです。 しかし、購入後に生活が一変してしまう人もありますし、劇的に変わらないとしても、高齢になって失職することから経済力は低くなるのが普通です。

 

こうした居住者に積立金の増額を依頼しても同意を得ることが困難なので、竣工から20年時点までは段階的な増額を計画しても、20年以降は増額しないのが一般的です。

 

 

特殊な例としては、新築時から30年間一律の積立額というマンションもあります。しかし、これは例外と言うべきもので、大半のマンションは新築時から5年後、10年後、15年後などと段階的な増額計画としています。 




グラフをご覧いただければお分かりいただけるはずですが、必要な工事費用=棒グラフを超えるように、積み立てを段階的に増やして行く計画となっています。

このグラフでは、累積の積立額がショートしないように12年目と24年目、および30年目に積立金の増額を計画していることが分かります。

 

●修繕積立金と管理費の合計額が高いという声も

修繕積立金が当初は7000円でも、10年後は10,000円になっているかもしれません。一方、管理費は上がることないとは断言できないものの、修繕積立金のようなことはないと考えられるので、例えば毎月15,000円としたら、積立金との合計では10年後に25,000円となります。

 

物件によっては、30,000円かもしれませんし、高級マンションでは40,000円になるかもしれません。それを聞いて、高いという人もあります。中には、一戸建てだったら3万円も4万円もかからないのだからと。

 

筆者は申し上げています。 「一戸建てだって、修繕費は必要ですよ。それを惜しめば、家の価値は大きく下落することでしょう。何より、同立地に同予算でマンションは買えないはずです」と。

 

また、「マンションは共同住宅なのです。皆で協調して価値の保存に取り組まざるを得ないのですよ」とも。

 

さらに、Aマンションは5万円でも、Bマンションは3万円といった比較もあり、2万円の差は、1年で24万円、10年で240万円もの差になるではないか、こんな疑問を投げかけてくれた人もありましたが、それにはこう答えました。

 

「4000万円の買い物をする人から見た240万円と、8000万円の買い物をする人から見た240万円では、確かに重み違うでしょう。 しかし、あなたは後者の購入予定者で、将来これを売り出した時の買い手さんも同レベルと思われますから、管理費・修繕積立金の額が大きいとして購入をやめるということにはならないはずです」――と。

 

管理費の額にとどまらず、条件の良い街、住みたい街、便利な街、高級なマンションといったふうに望むレベルが高ければ高いほど、価格も高いものです。しかしながら、その人の価値観によって高値のマンションを高いと思わない人も少なくないのです。

 

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